2026年度理事長所信

2026年度スローガン
「道〜行けば分かるさ〜」
【はじめに】
私たちが歩んできた人生は、取捨選択の連続です。目の前にある選択肢の中から何かを選び、何かを手放し、その積み重ねが一人ひとりの今につながっています。そして振り返ればその選択の連なりが、自分だけの道を描いていることに気づかされます。
社会もまた、選択を迫られています。人口減少や高齢化、地域経済の停滞、そして人と人とのつながりの希薄化。さまざまな問題が静かに、けれど確実に進行し、未来に対する見通しは簡単ではなくなっています。私たちの活動エリアである土浦市、かすみがうら市、阿見町、美浦村でも、その変化は例外ではありません。若者の地元離れにより、残された世代に大きな負担がのしかかるようになっています。また、地域における人と人とのつながりも薄れ、かつて住民同士で自然に支え合っていた風景は少しずつ姿を消し、長年受け継がれてきた地域に根づいてきた暮らしや活動も、担い手不足によって継続が難しくなっています。
しかし、すべてが失われたわけではありません。まちを思い行動する人の姿は今も確かに存在しています。地域を支える人の姿や、子どもたちの笑顔や、未来に挑戦する若者の姿には希望が宿っています。私たちの地域には、未来を育んでいける力がまだ残されているのです。だからこそ、私は青年会議所の存在意義が問われているのだと感じています。私たちはまちに寄り添い、仲間とともに未来を築いていく。課題に向き合い、人を育て、つながりを広げる。土浦青年会議所の運動は、そのすべてを通じて地域に貢献する運動です。
私たちは、傍観者ではありません。困難に向き合い、仲間と知恵を出し合い、青年らしく愚直に行動を重ねることで社会を変えていく。それが、私たちの誇りであり、果たすべき役割です。この組織には、多様な価値観や背景を持つ青年経済人が集まっています。意見が交わることで生まれる葛藤もあれば、乗り越えた先に見えてくる新たな道もあります。その積み重ねのすべてに、私たちの運動を築いてきた意味があります。試行錯誤を繰り返しながら積み重ねてきた挑戦の一つひとつが、これからの歩みを照らす確かな灯となり、未来を託す次代への道標を明るく照らします。
土浦青年会議所は、地域の今と未来をつなぐために歩み続ける、青年経済人の集いです。私たちはこれからも、地域とともに、確かな一歩を進めてまいります。
【ブロック大会~地域に新たなムーブメントを起こせ~】
11年ぶりに茨城ブロック大会主管LOMとなる私たち土浦青年会議所は、地域に新たな価値を創り出すという大きな責任を担っています。それは単なる大会の開催ではなく、この地域に住み暮らす人々に新たな風を届け、未来につながる変化を生み出す挑戦であり、私たちの覚悟の証でもあります。それこそがブロック大会を引き受けるという重責であり、私たちが果たすべき使命であると考えています。
運動は共感からしか始まりません。どれほど壮大な理念が掲げられていてもそれが人の心にしっかりと届かなければ、具体的な行動には結びつきません。まず必要なのはブロック大会の意義を正しく理解し、その根底にある想いと真摯に向き合うことです。メンバー一人ひとりがその理念に共鳴し、共通の未来を思い描いたとき、組織全体に自然な熱が生まれ、地域を動かす力となって広がっていきます。
ブロック大会記念事業では、地域に根づいた魅力や資源に改めて光を当てていくことが欠かせません。霞ヶ浦の豊かな自然、地域に受け継がれてきた歴史や文化、人々の暮らしの積み重ね、それらのかけがえのない価値を再認識し、活用し、次の時代へとつなげる新たな価値として磨き上げていくことこそがこの地域への敬意を示すことであり、未来を生きる世代への責任を果たすことだと考えます。この取り組みは、私たちだけでは成し得ません。行政や地元企業、そして地域を支えてくださっている多くの関係団体との連携と協力があってこそ、初めてかたちになります。地域を想う同じ志を持つ方々と語り合い、ともに歩み、ともに創り上げるからこそ、地域全体を巻き込んだ本物の運動が生まれるのです。
式典においては、茨城ブロック協議会との打ち合わせを何度も重ねながら、これまで築かれてきた歴史と歩みをしっかりと表現できる場を築き上げます。過去への敬意を込めつつ、その中に私たちらしい温もりを添えること。格式ある厳粛な空間の中にも、細やかな配慮と「おもてなしの心」を行き届かせ、訪れてくださるすべての方々の記憶に深く刻まれる時間を実現いたします。
共感を育み、地域と心から響き合い、その想いを「かたち」にしていく。このブロック大会は、そのすべてを叶えることができる大きな一歩です。次の未来へとつながるまちの新しい姿をブロック大会を通じ、仲間とともに力を合わせて描いていきます。
【ひとづくり~人は人でしか磨かれない~】
未来を変えるのは、いつの時代も人の力です。まちを育てるのも、組織を動かすのも、そして誰かの心を動かすのも、すべては人の想いと行動にかかっています。青年会議所が掲げる「発展と成長の機会を提供する」という使命の根幹には、人が人を育てるという文化があります。ただ一方的に教えるのではなく、互いに学び合い、気づきを分かち合いながら歩みを進めていく。その積み重ねが行動につながり、未来への責任を果たす道になると信じています。
人財とは、能力や肩書き、経験年数で測られるものではありません。その人がどれだけ「誰かのために行動できるか」という姿勢の中にこそ、真の価値が宿ります。青年会議所が果たすべき人財育成とは、与えられるものでも、用意されるものでもなく、自ら気づき、考え、行動しながら、自分自身の在り方と向き合う機会を創ることだと考えます。その中でも特に重要なのが「利他の精神」を自分の中に根付かせることです。誰かのために動こうとする意志を、一時的な感情ではなく、自分の行動の軸として持ち続ける事。そして、失敗や葛藤の中でもその姿勢を手放さずにいられるかどうかが、人としての成長に直結します。その経験が次の誰かの成長を支えるとき、初めてその人は人財として周囲に信頼される存在へと変わります。
限られた時間のなかで本質的な学びを深めるためには、効率と創造性の両立が欠かせません。AIなどの最先端技術を活用した資料作成や議案作成は、決して怠惰のためではありません。生まれた余白の時間があるからこそ内容に丁寧に向き合い、講師や関係者との対話を通じて、事業の参加者に伝わりやすい工夫を施し、目的達成へと結びつけることができるのです。また、情報が溢れる今の時代においては、根拠があいまいなデータや誤った情報を取捨選択する力を身に付けることも重要です。こうしたAIの使い方を学ぶことで単に効率が上がるだけでなく、人の想いや温度感をより豊かに表現するための手助けになると考えています。こうした取り組みを通じて得た知見やスキルはJC活動にとどまらず社業や地域に対する運動にも必ず活きてきます。
この一年を通して目指すのは、誰かに指導されて「育てられる」人ではなく、自らが次の誰かを「育てよう」と思える人を増やすことです。JAYCEEがJAYCEEを生む。この組織の根幹を守り続けていくためには、一人ひとりの意志と向き合う時間を大切にしなければなりません。その想いが伝播したとき、組織には自然と活力が宿ります。「自分が育てられたように、今度は自分が誰かのきっかけになる」。そう思える人がひとりでも多く現れるよう、知識や経験を持つ人が次の世代へと手渡していく場を設ける必要があります。想いと学びを紡いでいくことで、JAYCEEの精神が確かに受け継がれていくことを信じています。
「人は人でしか磨かれない」この言葉が、決して過去の理想にならぬように。いまを共に生きる仲間とともに、明日を照らす人財を育てていきます。
【総務広報~組織の基礎を担う~】
組織には、歩みを前へと進めるための推進力が必要です。その力は、確かな土台の上にこそ宿るものであります。一つひとつの所作に心を込め、全体の調和を整えること。集う一人ひとりに敬意を払い、場を設えること。そして、その姿勢や想いを内外に届けること。それらはすべて、誰かの未来への背中を押す力になります。
総会の設営は、組織の意思をひとつにするための大切な節目です。わざわざ足を運んでくださった方へ、心からの感謝が伝わるよう、資料一つ、進行の一瞬にまで誠意を注がなければなりません。真剣な時間を共有する場をつくることこそが、これからの一年の方向を定める道標となるからです。
また、SNSや広報を通じた発信は、時代の大きな潮流の中で、ますます重要な役割を担います。いまやフォロワー数は単なる数字ではありません。地域の想いとつながり、共に未来を描く仲間であり、組織の「財産」とも言える存在です。一つの投稿が、誰かの背中をそっと押し、共感が共鳴を生み、新たな参加や運動へとつながっていく。その循環をつくり出すためにも、InstagramやX等の各種SNSやLINE公式を最大限活用し、地域との継続的な接点を築いてまいります。また、文章作成やハッシュタグの設計には文章生成AIを取り入れ、より多くの地域住民の皆さまに届きやすい発信手法を実現し、誰もが気軽に触れられる情報発信のかたちを確立することにより、地域との新たな関係性を創出してまいります。
そして、卒業例会は、感謝と敬意を伝え合うかけがえのない時間です。歩んできた日々を称え、互いに学びや気づきを分かち合いながら、未来へと志を手渡す。その設えは、単なる送別ではなく、一年の集大成であり、組織の魂を次代へと刻む大切な場です。メンバーからメンバーへ一年間で吸収した「おもてなしの心」と「様式美」を体現しながら、その空間に温もりと誇りを宿すことができたなら、それは未来への何よりの贈りものとなります。そしてその贈りものは、70周年という大きな節目に向けて、私たちが想いを繋ぎ、志を紡ぐための確かなバトンとなっていきます。
土台を築くとは、組織の歩みを確かに支える、静かで力強い役割です。揺るがぬ使命感を持ってまちへの想いを形にし、未来へとつないでいきます。
【なかまづくり~未来をつくる、仲間をつくる~】
まちをより良くしたい。そんな想いが原点にある私たちは、単なる「拡大」ではなく、「共に未来を創る仲間との出会い」に重きを置かなければなりません。青年会議所とは、想いと行動を重ねながら、自らの人生にも地域にも真剣に向き合う場です。その運動は数字では測れない価値に満ちており、共感で結ばれた仲間とともにあるからこそ、大きな力となります。
私たちは青年経済人です。本質を辿れば、商売人として世の中と向き合い、価値を届けてきた人々の集まりです。だからこそ、認知されることの重要性を知り、地域住民に「選ばれる事業」を提供しなければなりません。地域に対し、私たちの運動の魅力をしっかり届ける。その先に、共感から始まるなかまづくりがあると考えています。なかまづくりは、決して勧誘ではありません。このまちを想う気持ちに共鳴してくれる誰かと出会い、一緒に一歩を踏み出すこと。それこそが、私たちが求める「なかま」です。
また、それぞれの歩みに宿る物語こそが、その人だけの言葉をつくり出します。人の心を動かすのは、そんな言葉です。誰かの心に届くのは上手な言い回しや正解の言葉ではなく、その人にしか語れない実体験や、揺るぎない想いが宿った言葉です。だからこそ、自分の言葉で、自分の体験を、自分の熱量で語れるようになることが大切です。そのために、マインドセット(物事に向き合う姿勢)、スキルセット(想いを伝えるための技術)、ツールセット(適切な手段や環境を選び活用する力)を磨き上げていく必要があります。想いを持ち、それを言葉にし、必要な相手にしっかりと届ける。そのすべてが整ったときに、人の心を動かす伝播力が生まれます。この経験の中で、一人ひとりが「誰かに語れる自分自身の物語」を見つけ出し、今度はその想いを未来の仲間に届けていく。その循環こそが、まちの可能性を広げ、運動を次の世代へとつなげる原動力になると信じています。
青年会議所は、多様な価値観を持つ個の集まりです。その個性が織りなす温かな交わりの中にこそ、本当の「なかま」が生まれます。誰かを変えるためではなく、共に変わっていく関係が、ここにはあります。出会いを重ね、語り合い、そして共に歩む。その一つひとつが、地域の未来を変える力になると信じて、今日もまた、新たな一歩を踏み出します。
【70周年準備~過去に感謝し、未来へ紡ぐ~】
竹は節を重ねるごとに、その強さとしなやかさを増していきます。節目とは、ただ時を数えるものではありません。これまで積み重ねてきた歩みを見つめ直し、次の成長への礎を築く大切な機会です。
70周年という歴史を刻む大切な時を目前にしたこの年に、まず必要なのは過去に向き合うことです。創立20周年の年に始まった「礎会」は、50年という節目を迎えます。それは、先人たちがこのまちと組織を想い、行動を積み重ねてきた証であり、私たちがいまここに在る理由でもあります。そして、創立から半世紀を迎える礎会に込められてきた想いと、受け継がれてきた精神に改めて向き合い、次代へとつなげるための運動を行わなければなりません。礎会は、先輩諸兄姉、また地域住民の地域に対する叡智と情熱が集う場であり、これまで積み重ねられてきた土浦青年会議所の歩みを、今に伝える生きた証です。その歴史に敬意を払い、未来へと受け継ぐ姿勢を示すことは単なる礼節にとどまらず、私たち自身の「志」を確かめる行為でもあります。
また、70周年とは、先輩諸兄姉が築いてきた想いのバトンが絶えず紡がれてきた賜物であります。県内各地から集う同志たち、関係諸団体、そして私たちが敬愛してやまない土浦JCシニアクラブメンバーの皆さまを迎えるにふさわしい設えとは何か。そこには、学びと準備が欠かせません。どれだけ想いがあっても、それが相手に届くかたちにならなければ真のおもてなしにはなりません。そのためには、方法を学び、技を磨き、自らの姿勢を見つめ直すことが必要です。土浦青年会議所の魅力を余すことなく伝えるために、そして先輩方が紡いでくださって歴史と想いをしっかりと未来へ届けるために、私たちはこの一年を大切な鍛錬の場として歩んでまいります。
私たちにはもう一つ、果たすべき責任があります。それは確かな計画を立て、次の担い手へと正しく引き継ぐことです。2017年に60周年を迎えるにあたり、策定されたアクションプランには、先輩方の熱い想いと、次代を見据えた構成が込められていました。すべてが形になったわけではありませんが、そこに込められた想いは今も私たちに問いかけてきます。だからこそ私たちは、当時の想いを受け継ぎながら、今の私たちだからこそ実現できる新たなプランの原案を描いていかなければなりません。理念だけで終わらせず、実現できる設計をメンバー一人ひとりが意見を出し合い作ること。それが、未来に希望を残すための私たちの務めです。
歴史を受け継ぎ、想いを学び、志を未来に託していく。この一年が、そのすべてをつなぐ時間となるように。70周年という節目に、誇りをもって立てるように。過去と未来の真ん中にいる私たちが、その道を丁寧に整えていきます。
【むすびに】
2016年、私は土浦青年会議所の門を叩きました。社会の仕組みも、人との距離感も分からず、手にしていたのは自分の価値観だけ。ネクタイの結び方も、名刺の渡し方も知らず、誰かのために運動するという意味すら理解していませんでした。地域の未来など考えたこともなく、日々の生活をこなすことに精一杯な、そんな青年でした。そんな私に、何度でも向き合い、言葉をかけ、時に叱りながらも寄り添ってくれた人たちがいました。自分のこと以上に私の成長を願い、背中を押してくれる存在がいました。
青年会議所には、「こうなりたい」と思える、人生を根本から変えてくれる人に出会える機会があります。私も多くの出会いを通じて、迷いや壁を乗り越えながら少しずつ成長してきました。だからこそ今、この場所には確かに、人生を変えるような出会いがあると実感しています。
私たちの運動には未来を変えようとする覚悟が宿っています。「何かを変えたい」そう思ったとき、動き出す人にこそ道は開かれます。受け身ではなく、能動的に動いたその一歩にこそ、出会いや気づきが待っているのです。
理想を掲げるだけでは何も動きません。声をあげ、行動し、苦労しながらも挑戦し続けるその姿に、人は共感し、仲間は自然と集まってきます。やがてその輪は、地域全体を巻き込む運動へと育っていくのです。そして気づけば、隣には掛け替えのない仲間たちがいます。共に汗をかき、笑い、時には悩み、立ち止まりながらも支え合う存在が確かにいる。そんな仲間が、いつかあなたの人生の宝になります。今、あなたがもし迷っているなら、それはきっと変わるべき時です。未来を変えたいと願うその気持ちを、どうか行動に変えてください。
さぁ、まだ見ぬ道を一緒に一歩を踏み出そう。あなたは1人じゃない。
「この道を行けばどうなるものか。 危ぶむなかれ、危ぶめば道はなし。 踏み出せばその一足が道となり、その一足が道となる。 迷わず行けよ、行けば分かるさ。」
2026年度スローガン
道
〜行けば分かるさ〜



