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2024年度理事長所信

理事長所信2024

2024年度スローガン

「さあ、行こう! ~InnovationforThe Future~」

2024年度基本理念

「メンバー一人ひとりが誇りを持てるJC運動への挑戦」

【はじめに】

「さあ、行こう!」

これは2023年に開催された野球の世界大会、World Baseball Classicにおいて、侍JAPANと呼ばれた日本代表が試合前の声出しで締めに叫んでいた言葉です。侍JAPANは見事世界一になり、チーム一丸となって闘った姿勢が世界中で称賛されました。私はその姿を誇らしく思うのと同時に、とても羨ましく感じました。一つの目標に向かって皆が力を出し合い励まし合う、そんなビジョンを土浦青年会議所に重ねたのです。 _

現在所属しているメンバーは、土浦青年会議所(以下JCI土浦)のメンバーであることに誇りを持つことができているでしょうか。言い換えれば、友人や同僚、家族に対してJCI土浦の魅力を語ることができるでしょうか。その団体の一員であることに誇りを持っているかどうか、それによって自分がどれだけの行動を起こせるかが決まるのではないでしょうか。

私は2018年度にJCI土浦に入会しました。学業を終えてすぐ実家の印刷会社に就職した私にとっては、青年会議所(以下JC)での様々な役職の経験や、OBであるシニアクラブの皆様との関わりがとても貴重な社会勉強であり、まさに「最後の学び舎」と呼ばれるJCに多くのことを教えていただきました。それぞれ本業とする仕事があるにもかかわらず一生懸命JCに取り組む先輩たちを見て驚きを感じると同時に、だからこそできる何かがJCにはあると可能性を感じました。私自身のどうせやるならしっかりやりたいという性格もあり、ここまで一生懸命活動してきました。 _

しかし、その一方でこれほど仕事の時間や家族との時間を削り、お金を使ってまでやる価値のあることなのか、という想いがあったのも事実でした。それでも、卒業まであと少しだから、と言い聞かせながら頑張っていたある時、自ら志願し出向したあるメンバーの「もう二度と出向はしません。」という一言にショックを受けました。話を聞くと、自分が貢献しようと思っても、特に自分がいる意味も感じられず、学びもないまま時間を無駄にしているだけだから、ということでした。

振り返ると、自分もそういった思いを他のメンバーにさせてしまっていたのでは、と考えずにいられませんでした。様々な役職をいただきながらも、いつしかこなしているだけになっていたのではないか。事業を精査するべき会議でも、もう時間がないから、これ以上は大変だから、と諦めていたのではないか。その結果、向上心のあるメンバーの気持ちをくじいていたかもしれないと感じたのです。 _

JCI土浦の一員であることに誇りを持てているか、という問いを自分自身に投げかけると、言葉に詰まってしまう自分がいました。しかし、理事長予定者の期間に与えられた出会いや学びを通して、この組織にはまだ可能性があると今は確信があります。理事長として、このままではいけない、勇気をもって組織を変えていかなければいけないと強く思うのです。メンバー一人ひとりがJCI土浦の一員であることを誇れるJC運動に、情熱をもって全力で挑戦します。 _

 

【誇れるJC運動】

誇れる団体であるためには、JCってこんな良いこと、格好良いことをやっていると人に伝えたくなる、JCに入れば必ず成長できますと言える、JCでの経験が仕事や他団体の活動に活かせる、などが理想とする姿として挙げられますが、どうすれば実現できるでしょうか。

JCとはそもそも何をすべき団体なのか。JCの使命であるJCI Missionには「青年会議所は、青年が社会により良い変化をもたらすためにリーダーシップの開発と成長の機会を提供する」とあります。ここでいう「成長」とは、単なるスキルアップにとどまりません。JCへの入会動機は、ほとんどの場合自分にどれだけの益があるかという判断だと思いますが、JCの理想である「明るい豊かな社会の実現」のために本気で社会奉仕をしようとする時、それは自分の損得感情を超えた利他の精神に変わります。地域のために、誰かのために貢献したいと思うこと、利己的から利他的に意識が変わることこそが成長であり、「明るい豊かな社会の実現」への第一歩なのです。

では「明るい豊かな社会」とはどんな社会でしょうか。それはJC宣言にある、「輝く個性が調和する未来」「持続可能な地域」であると考えます。言い換えれば、多様性と持続可能性のある社会です。JCI土浦が60周年を迎えた際に策定した長期ビジョン「地域を活性化する人財をより多く育める組織の実現」のためにも多様性と持続可能性は必要不可欠です。私たちはJC運動を通して、この地域に豊かな多様性と持続可能性を生み出していく必要があります。それを可能にする組織へと、共にInnovation、変革の一歩を踏み出しましょう。

【伝統を承継しつつ、時代に先駆ける総務広報】

私は、JCは歴史や伝統を重んじながらも、常に先端を行く組織であるべきだと考えます。

JCI土浦はこの時代に求められている団体でなければなりません。メンバー自身がJCを良いと思えてはじめて「JCに入れば、必ず成長できます」と自信をもって自分の友人や知人を誘うことができます。JCはやる意味があるのか、JCI土浦はこれでいいのか、ということを本音で語り合い、古いJCに囚われない、こんなJCなら魅力的だという姿をメンバー全員で共有できる場を創出します。

JCI土浦には67年の歴史がありますが、一般的な認知度はそれほど高くありません。茨城県は日本で唯一民間の県域テレビ放送局がない県であり、地域への広報活動がそもそも難しい土地柄であります。しかし、今ではWeb 2.0の発展でSNSを通じて誰でも広域に発信ができる時代です。20~30代のアクティブユーザー数、ユーザー満足度が高く、写真や動画などのビジュアルに特化していて事業内容などが伝わりやすいInstagramを主に利用します。伝えたい相手を見定め、その相手が求めている情報は何かということを改めて考え、検索で見つけやすい「リール動画」の利用、またホーム画面の上部に出てきて見つけやすい「ストーリーズ」を活用し、見てもらえるSNSの活用を目指します。また、今やコミュニケーションインフラとして認識されているLINEもこれまで以上に活用し、公式LINEの運用などを通して時代の先端を行く団体として魅力を高めます。

JCI土浦には伝統として「おもてなしの心」と「様式美」があります。いつの時代になっても、足を運んでくれる人への感謝や人に喜んでいただきたいという心は大事にするべきです。それはビジネスにおいても、家庭においても非常に重要です。そのようなおもてなしの心を育めるような組織でありたいと思います。またJCI土浦の様式美とは、総会を始めとする諸事業を設える際の型であり、会議の運営方法であり、議案書の書き方であると私は考えます。これまでの歴史のなかで受け継がれてきたこうした様式美を、失われてしまったものがあるならば補填しながら、次の世代にしっかりと承継していきます。

年度の最後には、卒業生に安心して卒業してもらえるよう様式美を追求した卒業例会を運営し、次世代のために卒業生の経験や想いをしっかりと承継できる場を設えます。JCI土浦がこれからも持続可能な組織であるためのバトンを繋いでいきます。

【広域LOMのメリットを追求し、入会候補者の立場に立った会員拡大交流】

私は、JCI土浦が魅力的な組織であるために、活動エリアを最大限に活用し、より多くの方々に開かれた団体であるべきだと考えます。

JCI土浦は4市町村にまたがる広域LOMですが、土浦市以外のメンバーが少なく、活動のバランスとしても土浦市に偏っています。特に、美浦村のメンバーがゼロという状況が5年続いていることは、広域LOMとして喫緊の課題であると言えます。70周年に向けたアクションプランにある「各市町村メンバー構成バランスの取れた」LOMを達成するために、かすみがうら市、阿見町、美浦村にそれぞれの地域でキーマンになりうる人財の拡大を目指します。そして、そこに住む人たちの立場に立って地域のニーズを探り、行政や地域団体との協働を通じて事業を行うことで、広域LOMとしてのバランスが取れた組織を目指します。

そして多様性と持続可能性がある組織づくりのために、20代メンバー5名以上の拡大というアクションプランにも取り組み、20代の青年が入会後に長く在籍し活躍できる組織とはどういうものかを考え、新しい体制づくりに着手します。現在8%しかいない女性会員の割合を増やせる体制も同様に、LOM全体で考え作り上げます。そして、計画の中で必要に応じて交流事業を設け、入会候補者の立場に立った拡大運動を行います。入会候補者に関する情報に常にアンテナを立て、メンバーやシニアクラブの先輩方にヒアリングを行い、70周年以降も持続可能な組織となることを目指します。

【豊かな多様性と、LOMの可能性を追求した地域活性】

私は、SDGsが目指す多様性を尊重し持続可能な「誰も取り残さない」地域づくりに積極的に関わっていくべきだと考えます。

私には発達障害を持つ息子がいますが、息子の話をすると周りにどれだけ多くの人が近い境遇にいることかと驚きます。2023年度に副理事長として担当した例会では、日本で就職を希望する海外からの留学生の課題に向き合いました。LGBTQの理解度の低さも身近な問題として考えなければいけません。

多様性が豊かに作用し受容されるダイバーシティ社会の実現のため、茨城県では令和3年に「いばらきダイバーシティ宣言」を発表しました。土浦市、阿見町もその宣言に賛同しており、かすみがうら市や美浦村もそれぞれダイバーシティ社会に向けた取り組みを行っていますが、その促進には私たちが無意識に抱いている偏見などの課題があります。まずは知ることから始めましょう。そしてこの地域に豊かな多様性をもたらすことができるJC運動を展開します。

【目標達成への道筋を明確にした人財育成】

私は、多様性と持続可能性に富んだ地域づくりのためには、JCI土浦にも多様性と持続可能性が必要であり、その一助としてメンバー一人ひとりが成長を実感できる運動をしたいと願っています。

JAYCEE(JCメンバー)としてJC運動を通して利他の精神を養う成長を求めると同時に、青年経済人として稼ぐ力を強化し、納税や雇用を通して地域活性に貢献することも重要です。人財育成委員会では、一年間の人財育成事業を通してメンバーがどのように成長できるかを定め、そのゴールへの道筋を逆算して事業構築をします。例えば、仕事や家庭の時間を削ってでも参加したくなる経済的な豊かさにつながる事業、目標設定とそれを達成する技術を養う事業、国際的な視点を持ちグローバルな考え方ができるようになる事業、人を惹きつけるために必要不可欠なプレゼンテーションやスピーチ力をつけられる事業など、数多くの学びの機会の中から最善のものを選択し実行します。

私自身がそうであったように、近年では入会3年以内のアカデミー期間であっても理事となることが増えており、アカデミー教育の必要性はますます高まっています。セレモニーの意味や、議案書の意義や構築方法、ロバート議事法による会議の進め方、そして数多く存在するJCのルールなどを、ただ座学で研修をするだけでなく、アカデミーメンバーが自ら実践を通して学んでいくことで、在籍歴が浅くても重要な役割を担えるメンバーを育成すると同時に、個人のスキルアップにも寄与します。

JCが提供できる人財育成は、上記のようなプログラムやセミナーだけではありません。委員会活動や議案書作成など、行動を伴うJC活動そのものが何よりの人財育成です。ぜひ積極的に活動に参加し、より良い自分へと前進してください。

【更なる成長の機会】

JCI土浦に関連する事業以外にも、日本青年会議所、関東地区協議会、茨城ブロック協議会に出向をすると、各地から集う志の高いJCメンバーに出会うことができ、自分の枠を超えるような考え方や、目的達成の手法などを知ることができます。私自身も日本青年会議所と茨城ブロックへの出向経験がありますが、土浦では行ったことのないような大規模な事業の経験、与えられた役割をどう全うしようかと考えるなかでの新たな発見を通して、数多くの学びや気づきがありました。

2023年度、私は日本青年会議所の運動プラットフォーム推進委員会に出向しました。褒章を担当する委員会なので、日本全国で行われている数多くの事業に触れる機会がありましたが、JCI土浦と同規模のLOMであっても、地域に強いインパクトを与え、ブランド力を高めている事業が多くあることを目の当たりにしました。LOMのサイズや予算規模を言い訳にしてJC運動に制限をかけるべきではないことを学ぶ機会となりました。

JC運動とは褒章を得るために行うものではありませんが、インパクトの強いJC運動を行うには、褒章で評価されるポイントを抑えることが必須です。Empower:若いリーダーに権限を与え、自らの意見と行動でポジティブな変化を起こせる環境づくり。Innovate:常に新しい、より良い方法がないか現状を疑い、創造性を発揮できる習慣づくり。Open:多様性を尊重し、協働を通して運動のインパクトを増幅させる組織づくり。私が出向で経験させていただいたこうした学びを、LOMに還元し良い事業づくりに邁進します。

組織の中を見ることと同様に、組織の外を見ることも重要です。両方の視点があってはじめて自分自身やLOMを俯瞰で見ることができるようになります。また、出向先の他LOMのメンバーとの出会いも出向の醍醐味です。共に事業を創り上げたメンバーとの間には強い絆が生まれます。もしかしたら自分の人生を変えるような出会いがあるかもしれません。ぜひ積極的に出向の機会を活用してください。

【むすびに】

「人は人によって磨かれる」という言葉の通り、良い影響を与え合うメンバー同士の切磋琢磨は、どんなセミナーよりも強い効果があります。JCには様々な背景を持った人々が集います。知らなかった業界の知識、持ち合わせていなかった価値観、自分の人生観を覆すような出会いがきっとあるでしょう。そのような出会いはかけがえのないものです。

JCは崇高な組織であると自負していますが、何をもってそう言えるのでしょうか。それは三信条にある「個人の修練、社会への奉仕、世界との友情」を通して、信頼し合う仲間と共に毎年この社会を少しでも良くし、JCI土浦をわずかでも前進させ、メンバーが地域のリーダーとして成長することだと考えます。そこを妥協してしまうと、JCは何のための団体なのか見失ってしまいます。このようなJCの芯となる部分はしっかりこの先の世代に承継しつつ、変えるべきところは熟考したうえでしなやかに変化し続ける持続可能な組織でありたいと考えます。令和の青年団体としてメンバー一人ひとりが誇れる組織づくりを妥協することなく行っていきます。

個人や一企業ではできないことも、JCならできる可能性があります。しかし、その可能性を実現させるためにはメンバー一人ひとりの力が不可欠です。侍JAPANならぬ、侍JCI TSUCHIURAとして皆が成長を実感できる団体へと歩みを進めましょう。

「さあ、行こう!」明るい豊かな未来の社会へ。

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